中国に住んでいたと話をすると、こう思われることがあります。
・中国のことが好きなの?(この人、変わってる!)
・中国に留学した日本人は、日本でうまくいかなかった人だ。
私が中国に住むことになったきっかけは、夫の転勤です。
当時、中国は好きとも嫌いとも感じない国で、興味があまりなかったという方が正しいかもしれません。
「中華料理がおいしくて、著しい経済成長をしている国」程度のイメージでした。
また、会社命令で異動しただけなので「日本でうまくいかなかった人」呼ばわりされるのもなんだかな~という感じでした。
そもそも中国に留学している人で、まともな人はいっぱいいました。
ただ、私を含め「変わり者」は否定しません(笑)
中国深圳は無情にも英語はまったく通じませんでした。
「塩」をもらいたいだけなのに「salt」が通じない飲食店。
英語が通じるのは「スターバックス」と4つ星以上の「ホテル」だけ。
若かりし頃、CMの影響で「英語が話せれば世界中に友達ができる!」と思っていました。
しかし、英語なんて全然役に立たない街もあるのです。
そこで、必要に迫られて中国語を習い始めました。
自分の意志で中国語学留学している人は、三国志が好きだったり、中国語の発音を心地いいと感じたり、「好き」な理由がそれぞれあるようでした。それに比べて、私の動機は「とにかく生活の不便さを解消したい!そして、いつか中国語で文句を言ってやる!」でした(笑)
在住1年目、勝手がわからない外国人はぼったくりに遭うは、偽札をつかまされるは、いろいろ苦い経験をさせられます。
だからこそ文句が言える人になりたかったんでしょうね。
そんな動機だったため、日常で使える言葉にしか興味がなく、高尚な単語は全然頭に入ってきませんでした。
3年を過ぎたころには言いたいことがおおよそ言えるようになり、強い動機はなくなっていきました。
そんな中国生活でしたが、行政書士の仕事を始めてからは少しばかり役に立っています。
◆外国に住む不便さを知っているから、外国人が不安に思う点を考慮できる。
◆ビザが出るまでパスポートを預けっぱなしにしているときの不安が分かるから、必ず「預り証」を渡す。
◆中国は広すぎて地域ごとにローカルルールが異なるので、一括りで判断しないようにする。
◆中国の人に対して、「国民性」を知っているので多くを期待せずドライに対応できる。
◆中国語の翻訳ができる。
中国語が分かること以上に社会背景や文化の違いを肌感覚で分かっているところが自分の強みです。
人生のどんな経験も無駄がないといいますが、本当にその通りですね。