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【帰化】日本国籍を取るための7つの要件を行政書士が解説!

「帰化したい」
「日本国籍を取りたい」

日本にずっと住み続けたい、おじいさんやおばあさんになっても安定して日本にいたい。そう思ったとき帰化や永住者になることを考えるのではないでしょうか。

この記事では、日本国籍を取得したい一般的な外国人向けに帰化申請について解説します。

一般的とは、外国で生まれ、留学生として日本に来て、卒業後日本で仕事をしているような外国人のことを指します。

帰化とは

帰化とは、日本国籍を取ること。つまり、日本人になるということです。

まず、帰化のメリットとデメリットを見てみましょう。

メリット

  • 日本人として選挙権や被選挙権がもらえ、公務員になる制限もなくなる
  • 在留期限を気にしなくてもずっと日本に住み続けることができる
  • 住宅ローンなどの銀行取引も有利になる
  • 日本国パスポートは、ビザなしで渡航できる国や地域が多いので、海外に行きやすい

デメリット

  • 日本は二重国籍を認めていないため、母国の国籍を失う

ですから、母国の国籍のままでいたい人は、「永住ビザ」取得を選択するのがよいでしょう。

帰化の7つの要件

帰化には7つの要件があります。7つすべての要件を満たしていることが必要です。

帰化の7つの要件
  1. 居住要件
  2. 能力要件(原則18歳以上)
  3. 素行要件
  4. 生計要件(収入要件)
  5. 喪失要件
  6. 思想要件
  7. 日本語能力要件

 

それでは、帰化の要件を一つずつ確認してみましょう。

1.居住要件

日本に引き続き5年以上住んでいること。

日本人の配偶者等は3年以上

これは、つまり5年以上継続して日本に住んでいるか?ということです。

帰化は日本への定着性が見られます。日本に3年住んだ後、1年間海外に行って、再度日本に戻って2年住むというケースでは、「引き続き」5年日本に住んでいることになりません。

それから、日本に住所があっても、頻繁に海外に行っていて、1年の大半を海外で過ごしている場合もこの要件を満たしません。まず、1回の出国が3ヶ月以上あるとNGです。また、1回の出国が2ヶ月であっても、1年間で合計150日以上程度出国していると、「引き続き」とみなされません。もし会社から海外勤務や長期海外出張を命じられて行っていたとしてもダメなのです。

帰化居住歴1

 

また、「引き続き5年以上」の期間には、就労ビザで仕事をしている期間が3年以上必要です。

ただし、10年以上日本に住んでいる外国人は、例外として就労ビザで1年以上日本に居住していればこの要件を満たします。例えば、留学生として9年間日本に住み、就労ビザで仕事して1年経過していればOKです。

帰化居住歴2

2.能力要件

原則18歳以上

2022年4月1日民法改正により、成年年齢が引き下げられました。この改正により、18歳以上が帰化できる年齢となりました。なお、18歳未満の未成年の子が両親と一緒に帰化することは可能です。

3.素行要件

これは、帰化したい人がまじめに法律やルールを守っているかどうかです。

・納税義務

住民税等の税金を払っていること。会社勤めの方で給与から天引きされている方は納税されているので心配いりません。もし給与天引きされていない場合は、ご自分で申告して住民税を払っている必要があります。また、配偶者がいる方は、配偶者も納税していることが必要です。

会社経営者・個人事業主の方は、個人と会社どちらの税金も払っていることが求められます。

・年金支払

年金も、会社勤めの方は、会社が厚生年金に加入してくれていれば心配いりません。給与から年金保険料が引かれていない場合は、ご自分で国民年金保険料を納めることが必要です。

・犯罪歴がないこと

交通違反

車を運転する方は、交通違反について回数を確認しましょう。過去5年で、駐車違反等軽微な違反が数回であればいいのですが、回数が多かったり、飲酒運転など悪質な違反があったりすると審査で不利になります。目安は、交通違反が過去5年で5回以下、過去2年で4回未満です。

暴行・傷害罪ほか

けんか、暴行、傷害罪ほかで罰金刑等の犯罪歴がある場合は、程度により数年経過してから申請した方がよいでしょう。

4.生計要件

生活を維持していける収入があるか。

貯金の額よりも、毎月安定した収入があるかが重要視されます。雇用形態は正社員が望ましいですが、契約社員や派遣社員でも構いません。自宅は、持ち家・賃貸住宅どちらでも大丈夫です。持ち家だから審査が有利になるわけではありません。住宅ローンや自動車ローンがある場合は、滞りなく返済していれば問題ありません。

転職している場合

転職した場合は、収入の安定性の観点から審査が不利になるため、転職後1年程度経過してから申請することがおすすめです。

5.喪失要件

母国の国籍を離脱できるか。

帰化したら母国の国籍を失います。というのも、日本は二重国籍を認めていないからです。兵役を終えるまでは国籍を離脱できない国もありますので、事前に母国に国籍離脱条件を確認しておきましょう。

6.思想要件

テロリストや暴力団ではないことが要件です。

自爆テロや破壊活動のような危険な思想を持っていないかを審査されます。

7.日本語能力

帰化申請では日本語の読み書き能力のテストがあります。日本語能力検定3級程度あれば大丈夫です。

帰化要件が緩和される外国人

ここまでは一般的な外国人の帰化要件を紹介してきましたが、日本との関わりが特に深い外国人の方は、一般的な外国人よりも帰化の要件が緩和されています。例えば、親や配偶者が日本人だったり、日本生まれだったり、元日本人だったりする人です。具体的に見ていきましょう。

  1. 日本人であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に居住している人
  2. 日本で生まれ、引き続き3年以上日本に居住し、またはその父か母(養父母を除く)が日本で生まれた人
  3. 引き続き10年以上日本に居住している人
  4. 日本人の養子で、引き続き1年以上日本に居住し、かつ、養子縁組の時に自分の国の法律で未成年だった人
  5. 日本人の子(養子を除く)で、日本に居住している人
  6. 日本人の配偶者で引き続き3年以上日本に居住している人
  7. 日本人の配偶者で婚姻の日から3年経過し、かつ引き続き1年以上日本に居住している人
  8. 日本の国籍を失った人(日本に帰化した後に日本の国籍を失った人を除く)で日本に居住している人
  9. 日本で生まれ、かつ生まれた時から国籍がなく、その時から引き続き3年以上日本に居住している人

必要書類

法務局で提示されている必要書類一覧です。該当するものを収集します。

  1. 帰化許可申請書(写真貼付)
  2. 親族の概要を記載した書面
  3. 履歴書
    ・最終卒業証明書または卒業証書の写し
    ・在学証明書
    ・技能・資格を証する書面
    ・自動車運転免許証の写し(表裏)
  4. 帰化の動機書
  5. 宣誓書
  6. 国籍・身分関係を証する書面
    ・本国の戸籍(除籍)謄本、家族関係登録簿に基づく証明書(韓国・朝鮮)
    ・国籍証明書
    ・出生証明書
    ・婚姻証明書(本人・父母)
    ・親族関係証明書
    ・その他(父母の死亡証明書等)
    ・パスポート・渡航証明書の写し
    ・出生届書(日本での戸籍届書の記載事項証明書)
    ・死亡届書(〃)
    ・婚姻届書(〃)
    ・離婚届書(〃)
    ・その他(養子縁組届・認知届・親権を証する書面・裁判書)
    ・日本の戸籍(除籍)謄本
    -本人が日本国籍を喪失した者
    -父母、子、兄弟姉妹、夫・妻が日本人(元日本人を含む)
  7. 国籍喪失等の証明書(ただし、法務局の担当者の指示があった場合)
  8. 住民票の写し等(申請者、同居者、配偶者(元配偶者を含む))
  9. 生計の概要を記載した書面
    ・在勤および給与証明書(会社等勤務先で証明したもの)
    ・土地・建物登記事項証明書
    ・預貯金現在残高証明書・預貯金通帳の写し
    ・賃貸契約書の写し
  10. 事業の概要を記載した書面(会社経営者・個人事業主のみ)
    ・会社等法人の登記事項証明書
    ・営業許可書・免許書類の写し
  11. 公的年金保険料の納付証明書(ねんきん定期便、年金保険料の領収書等の写し)直近1年分
  12. 運転記録証明書(過去5年間)
    運転免許経歴証明書(失効した人、取り消された人)
  13. 自宅、勤務先、事業所付近の略図
  14. 納税証明書等
  • <個人>
    源泉徴収票
    確定申告書(控え・決算報告書含む)
    所得税の納税証明書(その1、その2)
    事業税の納税証明書
    消費税の納税証明書
    都道府県・市区町村民税の納税証明書、課税証明書または非課税証明書(総所得金額の記載があるもの)
    納付書の写し
  • <法人>
    確定申告書(控え・写し)
    決算報告書
    法人税の納税証明書(その1、その2)
    法人事業税の納税証明書
    消費税の納税証明書
    法人都道府県民税の納税証明書
    法人市区町村民税の納税証明書
    源泉徴収簿の写し(申請者に関する部分)、納付書の写し

その他の書類も必要になることがあります。外国語文書には、A4版の翻訳文を添付し、翻訳者の住所・氏名・翻訳年月日を記載します。

いかがでしょうか。

帰化申請に必要な書類は思っているより多いのではないでしょうか。とりわけ個人事業や会社を経営されている方は会社員よりも集める書類が多いです。そのうえ、住民票など日本で取得する書類の有効期限は3ヶ月なので、有効期限が切れないように書類収集を行う順序を決めることが大切です。

おわりに

この記事では帰化の要件と必要書類についてご紹介しました。

帰化申請では、まず日本に5年以上居住しているのが第一の要件だとご理解いただけたのではないでしょうか。また、永住申請と大きく異なるのは、母国の国籍を失うこと、日本語のテストがあることです。話せるだけでなく、読み書き能力が求められます。

もし今はまだ要件が揃っていなくても、将来の申請に向けて一つずつ準備していけば、帰化できる日がきます。

この記事が、あなたの帰化申請のきっかけとなっていただけたら幸いです。

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閑田 里枝子
行政書士/出入国在留管理局申請取次者 大学卒業後、大手損害保険会社勤務、中国6年在住を経て2015年行政書士登録。東京都千代田区神田で外国人向けの在留資格申請を取扱う。外国人の起業や雇用、永住など在留資格相談実績多数。