永住申請の書類を確認していると、よくあるのが「転職の際に数か月の無職期間があり、その間の住民税納付が遅れてしまった」というケースです。
「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザから永住申請するには、直近5年分の「住民税を適正な時期に納税している」証明書を準備します。これは、つまり「納付期限内に住民税を支払っていること」が重要なわけです。
通常、会社員なら住民税が給料天引きされており、支払いが遅れることはありません。しかし、年度の途中で転職して無職期間があると、給料から天引きされない期間が発生してしまい、支払い忘れや遅延が起きやすい。そして、納付遅れが発生すると、永住審査でマイナス評価されてしまいます。
この記事では、「住民税の納付遅れ」がなぜ起こりやすいのか、どのように防げばよいかをご紹介します。
なぜ転職時に納付遅れが起きやすいのか
住民税の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」があります。
給与所得者の場合、6月から翌年5月までの毎月の給料から天引きされます(特別徴収)。その他の方は、市区町村から送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)。
退職すると、「特別徴収」が止まり、自分で納める方式「普通徴収」に切り替わります。「普通徴収」になると、役所から郵送で納付書が届くのですが、それに気付かず支払いが遅れてしまうことが多いのです。とくに、無職期間が1週間程度だったりすると、普通徴収に切り替わったことに気付かない場合もあります。また、無職期間が数か月あった場合、収入がない間は支払いしなくてよいと勘違いしてしまったりします。そうこうしているうちに、納付期限が過ぎてしまうことにつながります。住民税は、前年の所得に対して計算されるので、無職中であっても納税義務がなくなることは基本的にはありません。
納付遅れは永住審査への影響が大きい
住民税の納付遅れは、たとえ一時的な遅れであっても「納税義務の不履行」として扱われます。そのため、「住民税の納付遅れがあったため不許可」となる事例が珍しくありません。
永住審査においては、在留年数や収入の安定性と同じくらい「納税状況」が重要なのです。
申請前にできる対策
転職や退職歴がある方は、事前に次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 退職後に届く「住民税納付書」は必ず保管し、納付期限内に支払う
- 納付したら、納付日が記載された領収証等の控えを必ず保管する
- 市区役所で「納税証明書」を取得して、未納がないか確認する
- 未納がある場合は、市区役所の窓口で相談し、速やかに納付する
納付遅れがあった場合はどうする?
すぐに永住申請せず、納付遅れが解消された時から5年経過するのを待つことをおすすめします。自然災害等やむを得ない事情があった場合は、納付が遅れたことを理由書に記載することはできますが、多くのケースでは、納付遅れが原因で不許可の結果となっています。
まとめ
永住申請の審査では、日本で安定して暮らしているかだけでなく、「社会人としての信用」「公的義務やルールをきちんと守っているか」が問われます。
過去に転職したことがある方は、その期間の住民税の納付遅れがないか、一度過去の納税状況を確認することをおすすめします。

 
											
 
						
						
						
												 
						
						
						
												 
						
						
						
												
